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私は、20代の頃からサイト制作やWEB集客を生業としてやってきました。

WEBの仕事をするにあたって、避けては通れないのが写真素材のレタッチです。

今でこそ、出張撮影するようになりましたが、以前は、写真素材はもっぱらクライアント様にご用意いただいていました。

そのときに問題になったのが、写真の品質です。構図がアンバランスだったり、伝えたいこととは違う絵になっていたり…。

集客効果を高めるためには、写真のレタッチ編集が必要でした。いわゆる、フォトショ加工。いわゆる「盛る」というやつです。

今回は、私がポートレート写真をどんなふうにレタッチをしているのか、ご紹介します。

女性ポートレートのレタッチ例

まずは、撮って出しの写真と、レタッチを済ませた最終版の写真を比較してください。

BEFORE

AFTER

間違い探しみたいですが、どこが変わっているか、いくつ見つけられますか?

以下に、それぞれ細かく見ていきましょう。

肌に透明感を出す

レタッチでは、まず、絵全体を調整して雰囲気を作ります。

晴天下で直射日光の女性ポートレートですので、ふんわりとした透明感を出すのが定石です。

もともとの写真はコントラストが高く、とくに影が暗い状態です。

明度とシャドウを上げて、明瞭度を下げていきます。

BEFORE

AFTER

どうでしょう。がらっと印象が変わったと思いませんか?肌も明るくきれいになり、夏のまぶしい光を感じさせます。カメラで撮っただけでは、こうは写らないのです。

ちなみに、被写体が金属系だったり渋い男性の場合は、逆に明瞭度を上げて絵を引き締めるとかっこよくなります。

条件がよければ、これだけで完成になりますが、今回は、さらに作り込みます。

邪魔モノを消す!

まるでヒットマンのような見出しになりましたが、写真を構成する上で邪魔なものを消します。

抽象的で主観的な判断になりそうなところではありますが、実際はそんなことはありません。

わかりやすく言えば、この写真を見本に絵を描くとしたら、描く必要のないものは何か、という判断です。

私は昔、青少年向け小説の編集者をしていて、表紙絵や挿絵のイラストディレクションもやっていたのですが、イラストレーターさんは、必ず必要十分なものを出してきてくれます。

この写真でいうと、イラストレーターは、帽子の真後ろに煙突は描きません。
(帽子から煙突が生えるという内容でない限り)

同じように、背景の芝生に、杭や黒いなにか(撮影機材や荷物です)は描かないでしょう。

技術的にも、レタッチの跡が不自然に残ったり、何時間もかかる作業にはならないので、下図左の赤矢印部分をひとつひとつ消して、下図右のようにします。

BEFORE

AFTER

乱れ髪を抑える

この写真の撮影中、別のカットで、被写体には、帽子を何度もかぶったり取ったりする動作をしてもらいました。

写真に動きが出るのと、自然な表情も出やすいからです。また、帽子に手を掛けると、腕のラインが顔のそばに来て、美しく見える効果もあります。

そうすると、結った髪がほつれ、与謝野晶子も詠うところの乱れ髪に。

多少の髪のほつれやおくれ毛は、リアリティーややわらかさ、風を感じさせる演出としてむしろ好ましいのですが、顔にかかりすぎていると、気になってしまいます。

そこで、顔にかかった髪の毛を、1本1本、潰していきます。

あまりやりすぎると、作りすぎで不自然ですので、あくまで気になるところだけにとどめます。

こんなかんじになりました。

BEFORE

AFTER

ついでに、オイリー肌を想起させる頬の反射を抑えています。

あごのほくろも取りましたが、このへんはクライアント様や被写体の希望に合わせてという感じです。

さあ、これできれいに仕上がりました。

全体的に見るとわずかな差かもしれませんが、このへんのスタンスも、WEB制作で写真を使った経験がないカメラマンとの違いになってきます。

ある程度トリミング拡大しても使える品質になっています。

改めて、撮影直後と最終版を比べてみてください。

BEFORE

AFTER

まとめ: レタッチは事実を歪めない

私は、写真を納品するときは、基本的にレタッチをしています。

今では少数派になりましたが、以前は「写真を撮影後にいじるのは邪道であり、事実を歪める嘘つき行為である」という考えを、よく見聞きしました。

しかし、三次元のものをレンズやカメラを通して二次元に描写するということ自体、ありのままの現実とはいろんな違いが生まれるのです。

撮って出しの写真にも少なからず歪曲がありますし、カメラの機種や設定によって色の出方も違います。

私たちパシャリズムが納品させていただく写真は、単に事実を伝えるためというよりも、クライアント様が意図するメッセージを伝えるための写真です。

それは、被写体の美しさやかっこよさだったり、楽しげなイベントだったり、真剣な仕事人の姿だったりします。

そういった目的がありますので、写真は、撮影時にコントロールするのが正しくて、撮影後にコントロールするのは不正、と考えるのは極端すぎるのです。

プリクラのデカ目加工のように、やりすぎると不自然になることもありますが、女性が化粧をするように、ナチュラルな範囲内で私は写真をレタッチして美しく仕上げるようにしています。

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